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山猫合奏団祭り2016初日 イノック・アーデン初演の写真です

遅ればせながら山猫合奏団祭り2016の初日、初めて挑んだリヒャルト・シュトラウスの作曲したアルフレッド・テニソンのドラマチックで切ないストーリー、イノック・アーデン初演の写真の一部を掲載します。
撮影は、すべて、山猫合奏団公式カメラマン、柳島蒼機(やぎしまそうき)氏です。
幼なじみの二人、フィリップ、イノックの間で揺れ動く心理を演じきったアニー役の高橋伶奈さん。山猫合奏団のコンサートには初登場でした。

配役は飽くまで台詞の部分です。
情景を描写する部分は、三人が入れ替わり立ち替わり、時には二人で同時に朗読しました。
控えめな性格で常にアニーを暖かい眼で守り続けるフィリップを演じた西村俊彦さん。

エネルギッシュでアニーの為に財を成そうと危険な海に出て行ったイノック担当の高山正樹。
翻訳は、後に演出意図の変更に堪えられるように、高山正樹の翻訳で行われました。

リヒャルト・シュトラウスの職人芸で生み出された登場人物の心理や情景を実に具体的に、時間を超越する演出を交えてオペラティックに表現される音楽を演奏する事はとても幸せな時間でした。

2016/09/10から山猫合奏団祭りが開幕致します!

2015/09/12から始まる山猫合奏団祭りのお知らせ

今年も、去年に続き、山猫合奏団による言葉と音楽の三日間のコンサートのお知らせです。
所謂、朗読と演奏という、お互いシンクロする事無く語り、BGMで演奏するというものではなく、時に、ラップの様に音楽に合わせて、時に、違う登場人物の台詞を(特に議論の場面や、擬態語、擬音語)重ねて、言葉の意味を伝えるだけでなく、音として伝える試み満載です。
2015/09/12,9/19,9/26と全て土曜日に上演致します。

素材は、原点である宮沢賢治の“セロ弾きのゴーシュ”、“注文の多い料理店”、“どんぐりと山猫”の他、太宰治の“走れメロス”、
そして一つを除いてこの夏に作曲したばかりの、詩人、草野心平の作品を演奏します。草野作品は世界初演(#^.^#)です。

9/12(土)は、昼夜二回公演です。
13:30に草野作品と、“セロ弾きのゴーシュ”
“草野作品”:河童と蛙(2012)、かじか(2015)、ゆき(2015)、俺も眠ろう(2015)、かえるのうたのおけいこ(2015)
出演:高山正樹(言葉)、楠定憲(言葉)、大島純(Cello)、白石准(作曲・Piano)
“セロ弾きのゴーシュ”
出演:大島純(ゴーシュの台詞とチェロ演奏)、高山正樹(登場する動物たち)、楠 定憲(くすさだのり)(語り)、白石准(楽長及び、作曲・ピアノ演奏)

18:30に草野作品と、“走れメロス”
出演:メロス:高山正樹、暴君ディオニス:楠定憲、(その他の登場人物や語りの部分は二人で分担)作曲・ピアノ演奏:白石准

9/19(土)は、13:30に“注文の多い料理店”と“どんぐりと山猫”を続けて上演致します。
“注文の多い料理店” 山猫:高山正樹、語り:楠定憲、作曲・ピアノ演奏:白石准
“どんぐりと山猫” 山猫,森の生き物:高山正樹、一郎&語り:楠定憲、作曲・ピアノ演奏:白石准
これらは、もちろん独立した作品ですが、山猫は同一人物であったという繋がったストーリーとして白石准が考えています。

9/26(土)は、13:30に草野作品と、“走れメロス”
“草野作品”:河童と蛙(2012)、かじか(2015)、ゆき(2015)、俺も眠ろう(2015)、かえるのうたのおけいこ(2015)
メロス:西村俊彦、暴君ディオニス:高山正樹、(その他の登場人物や語りの部分は二人で分担)作曲・ピアノ演奏:白石准

18:30に草野作品と、“セロ弾きのゴーシュ”
出演:大島純(ゴーシュの台詞とチェロ演奏)、西村俊彦(登場する動物たち)、高山正樹(語り)、白石准(楽長及び、作曲・ピアノ演奏)

この日は12日と同じProgrammeですが、初登場の西村俊彦氏が参加します。語り手が違います(高山正樹の役割も“走れメロス”では違う)ので、今までご覧になった方も相当違うインパクトがある「初演」的なものになるでしょう。
西村俊彦氏のblog:http://blog.livedoor.jp/byoubyoubyou/

会場は、東京の目黒区、東急目黒線の「洗足」駅の改札を出たら前方ちょっと右側にすぐに見える、プリモ芸術工房(イタリア料理店の二階)です。
「洗足」駅は、「洗足池」でもなく、「千束」でもありませんのでご注意。

入場料は、大人3,000円、中学生以下が1,000円です。
お問い合わせ・お申込み先は、
M.A.P.(エム・エイ・ピー)Tel03-3489-2246 Fax03-3489-2279
あるいは会場のプリモ芸術工房Tel03-6421-6917
メールフォームもあります。http://form1.fc2.com/form/?id=601550

もっと詳細に観たい方の為にチラシはPDFにして公開してあります。
http://shiraishijun.jp/chirashi/201509yamaneko_festival.pdf

2014/05/29(木)新作“走れメロス”初演

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昨日2014/05/29(木)、山猫合奏団の事務所のある、東京の郊外世田谷区と狛江市の境目辺りの小田急線、喜多見駅にある事務所にて行われている小さな映画祭のイヴェントの一つとして山猫合奏団のコンサートがありました。
そこで、できてほやほやの“走れメロス”が演奏されました。

どうです、この右側の高山正樹の激しく怒った顔(爆)

かれはメロスを担当していたのでたぶんに、怒っているメロス(たぶん最期の方でセリヌンティウスを助けようと、「戻ってきたぞ」とか怒鳴って居る場面)かなと思います。
向こう側に居る楠定憲(くす)は暴君ディオニスや友人のセリヌンティウスなどをやりました。

撮影は、白石准の友人、相島洋成さんです。
http://photozou.jp/photo/top/3027278

再演は、すぐ6/7(土)19時より、プリモ芸術工房での演奏会であります。
http://ensemble.lince.jp/2014/05/20140607/

2014/05/29に今年の新作、“走れメロス”の初演が喜多見であります

山猫合奏団は、今まで「たまたま」宮沢賢治の物語を作品にする事が多かったことは事実です。
しかし、それ以外にも、草野心平や山之口貘、そして、3月には架谷由紀子さんのストーリーで作曲してきました。

物語としては、初めて、巨匠、太宰治の作品に挑みます。
たぶん、数え切れないほどお芝居にもされ、映画にもなっているかもしれない、日本人なら一度は読んだことのある、走れメロスの話です。

詩を除く、長大な物語としては、今まで白石准が進めてきた、語りの中の律動を音楽とシンクロさせること、つまり一般的にはラップの様なものではありますが、それを2011年の作品、“オツベルと象”では殆どすべての台詞を音符で制御しました。
そしてそれを一歩すすめ、役者のストレス(爆)をすこし緩和するため、実際は音符とシンクロしていますが、楽譜から音符をかなり省いた様式になっています。
まあこれは聞かれる方々には関係の無いことですが、それにより、ラップなのではありますが、普通に読んでいるように聞こえる箇所も多くなっていると思います。

音楽的には、今までの、“どんぐりと山猫”、“セロ弾きのゴーシュ”、“注文の多い料理店”、“オツベルと象”、にくらべて、メインテーマも希薄、音楽の量ももしかしたら一番すくないかもしれませんが、小節数にして1800小節をこえ、譜面上は150ページを超えた、“オツベルと象”に並ぶ、最高に長大な曲になりました。
小節数的には約1時間かかる“オツベルと象”よりも長いのですが、この作品は、早口で興奮して喋る場面も多く、場面場面のアリアみたいな楽曲は流れませんので、大体40分くらいの曲になりました。
つまり言葉の情報量は多いと言うことですね。

「炸裂する言葉」とPianoという風情になっています。

毎回白石准としては、作品によって目指すことを違え、実験を繰り返しています。
初演は、電子ピアノということになりますが、すぐに6月上旬に予定されている、本拠地のプリモ芸術工房でも“セロ弾きのゴーシュ”と抱き合わせで再演するつもりです。
その情報は別記事にします。

リハーサルの状況は以下の写真でご参照下さい。

日時は、来たる5/29の17時です。
語り手は、楠定憲(左、メロス以外の主な登場人物とナレーション)、高山正樹(メロスとナレーション)です。
様式的には、白石准お得意の、台詞を全部音符にひもづける事により、合唱で同時に音楽的に違う立場の台詞が混在する様な箇所もあります。
そこがまさに、普通の朗読とは違い、説明する事から飛んで、言葉の躍動を表現するスタイルになっています。
二人で語る事により、メロスと親友セリヌンティウスの気持ちが同時にシンクロする場面も作りました。

練習しているここは当日会場となる山猫合奏団の事務所でもある、東京の小田急線、ちょうど東京と神奈川の境目にある多摩川のちょっと都内より、喜多見駅から数分の所にある、M.A.P.事務所です。

お誘い合わせの上、ご来場下さい。

これは「喜多見と狛江の小さな小さな映画祭」という催しの一つです
そのWebsiteは
http://kitamitokomae-artfes.com
です。

お申し込みは
03-3489-2246(M.A.P.担当宇夫方(うぶかた))
https://ticket.corich.jp/apply/55337
です。
確認ですが、このコンサートの日時は、
2014/05/29(木)17時です。

“走れメロス”の作品紹介をレパートリーのページに追加しました。
http://ensemble.lince.jp/repertory/meros/