オノマトペonomatopeeフランス語
オノマトペイアonomatopoeia英語
擬音語・擬態語
賢治作品の大きな特徴にこの擬声語の使用があります。そんなわけで山猫合奏団で上演している作品にどのくらい擬声語が使われているか読み返してみました。
言語の専門家からは間違ってるよと言われるかもしれませんが、とにかく数えてみました。
「どんぐりと山猫」 36語を55回
「セロ弾きのゴーシュ」 46語を70回
「注文の多い料理店」 20語を33回
読なら10分程度、少し長めの「ゴーシュ」でも20分くらいで読めてしまう短い作品のなかになんともうまいぐあいに使っているのでした。たとえば「どんぐり」のなかで私の好きな場面で「まわりの山はみんなたったいまできたばかりのように【うるうる】もりあがってまっ青なそらのしたにならんでいました」というのがあります。なんとも青空の下の気持ちよさが倍増するような気がしませんか。
こんなのもあります。山猫の登場のところで「そのとき、風が【どうと】吹いてきて草はいちめん波だち…」とあるのですが、これが「そのとき、強い風が吹いて来て…」となっていてはいきいきとした自然の動き変化が身近に感じられないように思います。人と動物や自然の関係を考えさせる賢治の作戦なのかもしれません。