坂本遼作品:おかん

詩シリーズ第1弾(その2)

原作 草野心平
作曲 白石准(2012年に作曲)
編成 ピアノ1名 チェロ1名 語り1名(基本)
内容 2012年の11月に、福島県、いわき市にある、草野心平文学館にて演奏する事になり、その折、演目は“セロ弾きのゴーシュ”ではありましたが、せっかくだからと、草野作品を二つと、当時特集されていた坂本遼の作品、合わせて三つを構成しました。
草野作品はその項目で説明していますので、こちらは、兵庫県の生んだ詩人、坂本遼の作品についてです。


宮沢賢治や草野心平ほど有名な詩人とは言えないかも知れませんが、草野心平と交流のあった詩人です。

大変貧しかったようで、かなり生活の苦しみがそのまま言葉に刻まれているものがおおく、白石准が選んだのは、母を想う“おかん”という詩でした。

これも草野心平の“河童と蛙”同様、“セロ弾きのゴーシュ”の演奏と同時に初演したので、編成にはチェロが加わった語りとピアノの曲です。

白石准がこの詩に興味を持ったのは、言葉が淡々と流れていくのと、実際の時系列が逆になっていると言うことです。

冒頭、もう骨になってしまった母親を回想するところから始まり、最後は、生きていた時の母との会話で終わります。
時間が逆戻りすることにより、もう亡くなってしまった母を想う気持ちがとても強く表現されていると感じ、この作品においては、山猫合奏団の他のレパートリーの様に、音楽と言葉の律動をそろえるという様式は選択せず、音楽で始まり、その作られた空気の中、詩を読み、また音楽が、という順番に語り、演奏されるという形式になっています。

チェロの哀愁を帯びたメロディが、印象的に言葉と絡みます。

編成は、語り手一人、Cello、Pianoです。
これは語り手を二人にしなくても成立すると思われますが、再演時、語り手が二人居たので、母の台詞はもう一人が担当しました。