おかん」タグアーカイブ

外国に行ったかっこう

2012/11/17プリモ芸術工房開館記念演奏会1,“セロ弾きのゴーシュ”

昨日、チェロの大島純が、オーナーとして、そしてプロデューサーとして業務拡張を展開することになる新しいホール、東京の目黒線の洗足駅の改札の真ん前にある、プリモ芸術工房で、開館記念演奏会の第一段として、我々山猫合奏団の演奏会が華々しく行われました。
当日は、強い雨も降り(大島純のコメントによると「雨男」だそうだ)客足を心配しましたが、予定通り満席の中、山猫合奏団としても新たなレパートリーを披露することになり、この文章を投稿している、作曲者としての白石准にとっても、ピアニストとしての白石准にとっても、忘れがたき一晩になりました。

のっけから、ピンぼけの写真をお許し下さい。
なぜこれを掲示したかというと、単に、楠定憲(左)のシルエットが、面白かったからです。
(観劇した人しか判らないことではありますが)白石准がかつて弾いたMusical CHICAGOの中に出てくる踊りの様なイメージがあったからです。
楠の影が、まるでMusical CHICAGOの様だ(爆)

この日、新作として、草野心平の詩、坂本遼の詩、に白石准の書いた音楽が披露され、たぶん、これは、坂本遼の詩「おかん」をやっている場面ですが、初演ということもあり、よりによって、楠定憲が下を向いているときに撮られたので、まったく余裕がなさそうに見えますが、performanceはそんな事はありませんでした(爆)
詩の朗読@楠

この後の記事で披露しようと思いますが、本日は、福島県のいわき市にある、草野心平記念文学館にて、その二人の詩とやはり“セロ弾きのゴーシュ”の演奏をしてきましたが、その機会に、たまたま特別展として、草野心平とも、そして我らが宮沢賢治とも親交の深かった坂本遼の作品と草野心平の作品に触れる為に書いた音楽でした。

写真はありませんが、先日の仁連小学校では独りで語りましたが、今回は、高山正樹と楠定憲の二人で(一応、高山正樹が主役で、楠定憲はある意味お囃子的に「発音」していたという形式)、草野心平の「河童と蛙」(実は本日の福島ではスタイルを変えて演奏したので、白石准の「河童と蛙Aパターン」ということでボサノバ風」ということになります。Bパターンは次の記事で言及します。)、そして高山正樹独りで、草野心平の「るるる葬送」を、その詩に併記されているショパンの「葬送行進曲」を長さに合わせて構成しました。

今のところ、我らが山猫合奏団は、ごく一部の作品を除いて、白石准の作曲としては、「宮沢賢治の作品を演奏する団体」というレッテルを貼られても良い活動をしてきましたが、そうなったのは、たまたまの偶然に依るところもあり、この機会に他の作家の作品へ活動が拡がるきっかけになったかもしれません。

ホールの開館に合わせて山猫合奏団へというのではなく、ホールへのお祝いの花が沢山届いていました。
だから、おじさんばかりのconcertなのに、ロビーにもステージにも花があったという、次回以降はあり得ない特別な「舞台装置」に囲まれて弾きました。
お祝いの花

これらの「朗読」の前と後にチェロの独奏があり、それも派手に開館をお祝いするような男っぽい曲をやりました。


さて、後半です。
白石准が2005年に書いた“セロ弾きのゴーシュ”です。
昨日と今日でトータル何回目の演奏になったのか今は思い出せませんが、たぶん、30回どころではなかったと思います。

でも、何度も何度も聞いて下さる友人の有り難い批評のなかに、「毎回いろんな違う試みがあるから飽きない」と言うのがあり、感謝しましたが、本当に白石准の気まぐれでいろんな事を思いついちゃったりすることもあるけど、やはり“どんぐりと山猫”はもう30数年やっているし、これももう7年を超え、慣れたというものを通り越して様々な解釈、思い入れがどんどん出てきて、昨日もあちこちに新たな発見がありました。
高山正樹@まるで熱唱中

作曲者としては、ゴーシュを演じた大島純の台詞の雰囲気には本当に書くときに想定していた様な印象が出てきて、今までで一番良かったと思いました。
ただ、最初に下手に弾く部分に関しては、なぜか昨日も今日も、あまり下手に聞こえなかったので、どうしたんだろうとは思いました(爆)
まあ、あまり下手すぎて弾く時があって、「それじゃ、仕事は貰えないだろう」と指摘することもあり、その加減が凄く難しい演奏になるのです。
ここは、冒頭、交響曲第六番の練習中の場面だと思います。
ちなみに、この交響曲は、良く他の作品で聞こえてくる「Beethovenの田園交響曲」のモティーフは一切無く、白石准の書いた音楽であります。
交響曲6番練習中
そうです、今回は割合的に「日常的」と言われる、高山正樹と楠定憲の配役の逆をやりました。
楠定憲が、夜な夜なゴーシュの部屋に登場する動物たちを、そして高山正樹がそれ以外の状況を表す「地」の部分を担当しました。
CDやiTunes Storeに配信されているものとは逆パターンになります。

最初の晩に登場する猫が「運搬」しているところで、「舞台袖」の無い、この空間では、堂々と客席の裏から出て行きました。
運搬中の三毛猫1
「ああ、運搬はひどいやな」
運搬中の三毛猫2
「お土産です、食べて下さい」の場面ですが、普段、この場面は、地方でやるとき、高山正樹が演じるときは、良く、その地方の名産品をわざと出しちゃうこともあります。
たとえば、岡山では葡萄や桃(後者はやらなかったかもしれないが、そういう関連性を視覚的に見せるという意味)、沖縄ではゴーヤとか。もちろん、それでも、「トマト談義」はテキストのままでやりますが(爆)
今回は事前に楠定憲が原作にあるとおり、「赤くもならないトマト」を探して買ってきていました。
おみやげです、どうぞ
上の写真では余りよく見えないので、猫耳を付けた楠定憲の写真を。これは、印度の虎狩りの部分です。
猫耳楠
次に来た、かっこうです。
原文では「灰色の鳥」なんですが、なぜか我々の小道具の鳥は青い(爆)
かっこう君
なぜか次の狸の子供の写真が欠落しています。
その後の鼠のお母さんとその子供の場面です。
鼠の母
病気を治して貰おうと演奏を所望したのに、ゴーシュは自分が医者じゃ無いから出来ないというと、嘆き悲しむ母鼠。
ああ、この子はもっと早く病気になっていれば良かった
今回は高山正樹の写真がここまでは少なすぎるが、たまに撮られたものをみると、なぜか横に座っている、これは何をしていたときだ?
なぜ高山正樹は横を向いているのか(爆)
出演者はトータル四人ですが、四人だけではこの団体は成り立ちません。
本当はすばらしい女優であり、沖縄舞踊の師範でもある、宇夫方女史はこの日、マネージャーとして、そしてビデオ担当として、手持ちで頑張ってました。
撮影中の宇夫方女史
目出度く演奏は終わりました。やっと四人一緒の写真があった(爆)
何故こんなに四人の写真がないかというと、たぶん、僕の持って居るカメラで撮影したので、その機種は実質50mmに近い画角なので、広角では取れずフレームに入りきらなかったという結果です。
それだけ、コンパクトな空間のなかで濃密なperformanceが展開されたと言う事です。

かっこうの写真が見えますが、これはなんの小道具かというのは敢えて明かさないようにしましょう。それは生演奏を聴きに来て頂いた時に正体が判明します。
外国に行ったかっこう
アンコールでは、数年前から演奏を始めた、「トロメライ」という、また白石准が作曲し、そして初めて「作詞」に挑戦した曲です。
第一夜で猫が、最初リクエストした「ロマチック・シューマン作曲のトロメライ」は「ロベルト・シューマン作曲のトロイメライ」の「まちがい」ではなく、敢えて賢治がそう記したのだと確信しています。
故に、そんな曲は存在してないので、本当は猫が大好きなその曲、つまり白石准の歌詞は、猫が喜んで歌っているという想定のもとに書いたものですが、それを演奏しました。
ううむ、何度目か知らんが、未だに譜面にかじりついている楠定憲(爆)
そんなにあのメロディ難しいかなあ、、、
トロメライ楽譜にかじりつく楠
こっちはこっちで、老眼が進みすぎて異常な位置で譜面を眺めている高山正樹(爆)
そうなんです、この作品は2005年の作で、最初からMacで書かれた印刷船のですが、初演の頃の譜面と違って何十回か改訂している間に、台詞の字のサイズを大きくする必要が出てきたのです(爆)が。
老眼に苦しむ高山正樹@トロメライ
トロメライはなぜか、最後、チェロもピアノもこんなに熱唱しています。しかし、譜面を見て居るのは役者二人だけだ(爆)けしからん。
まあこの目線が誰も揃ってないのが作曲者としては面白いところではあります。

この後、冒頭の方で演奏した草野心平の書いた「河童と蛙」を高山正樹と楠定憲の役割を入れ替えて演奏しました。
全然色が違ったので作曲者としては面白かった。
トロメライ熱唱
後大事なスタッフ。
ピアニストであり、この会場のピアノ(今年100歳のスタインウェイ)のオーナーでもある加納麻衣子さんが、暴走している我々(ほとんど白石准だけなんだが(爆))の振る舞いに心配そうにしています(爆)
開館記念演奏会は今月来月三回ずつありますが、次とその次は、彼女の演奏が控えています。
ステージの裏で見守るかのまい
来場客と記念撮影。
このメンバーはほとんどが、夏頃、大島純が参加したお芝居の関係者でした。
なお、すべての写真は、スタッフと聴衆で来てもらっていた「カメラ女子」の方々(二人だけど)に撮って貰いました。
感謝。
記念撮影@2012/11/17

なお、白石准のblogにもこの他の写真を出しました。

20121114古河市立仁連小学校「PTA芸術鑑賞会」

2012/11/14古河市立仁連小学校「PTA芸術鑑賞会」“セロ弾きのゴーシュ”

昨日、茨城県の古河市というところに行ってきました。
titleの通りの催し物でした。

その学校の音楽の先生、橋本先生(本当は、橋という字は難しい旧字体)が、かつて学生だった頃、オーケストラクラブに在籍し、チェロを弾かれていて、、そこに大島純が指導に行っていたというご縁から今回の公演が実現しました。

まず学校について、その校庭の広さにびっくり。
もちろん、空の広さにも。
(かつて田園風景がまだ拡がっていた時代とは言え)都内の小学校で育った僕としては、100m走を楽々直線で取れるとか、サッカーのゴールの後ろにも凄く広いスペースがあるとか、それだけでびっくりでした。
仁連小学校の広い校庭と広い空

しかも、通された控え室からは、なんとこんなに美味しそうな干し柿が見えました。
仁連小学校に干してあった柿

さっそく、高山正樹がblogのネタに撮ろうと試みていました。
仁連小学校に干してあった柿を撮ろうとする高山正樹

昼食を頂いた時、もう食べられる状態になった干し柿を頂きましたが、本当に美味しかったです。
仁連小学校で頂いた干し柿

時間になったのでみんなの待つ体育館へ移動です。
白石准だけトイレに行っていて遅れて行ったにも関わらず、みんなを待たせてこんなのを撮っていました(爆)。
渡り廊下から見えた紅葉の始まり。
古河市立仁連小学校の校庭の紅葉

本番が始まりました。
白石准のblogにも報告しましたが、この日、“セロ弾きのゴーシュ”の他に、2012/10/18に福島県のいわき市にある、草野心平記念文学館に赴くために作曲した、草野心平の「河童と蛙」、そして兵庫県出身で、草野心平や宮沢賢治にも親交が深かった坂本遼の「おかん」という二つの詩に付けた僕の新作の音楽の披露も(実質的な世界初演でもあったが)しました。

その際、草野心平の詩の冒頭、「るんるんるるんぶ、るるんぶるるん」という擬音語をボサノバ調の伴奏に乗せて始めたら、子供たちはほぼ全員に近い割合だと思えるほどだったけど、大爆笑が始まりました。
この様な反応は全く想定してなかった(爆)

意図してない反応だったけど、まあこんなに喜んでくれるなら書いた甲斐があったというものだ、と思いながら弾きました。

子供は、言葉の意味論が先に来るのではなく、その音の面白さを直感的に吸い込む能力が高いのですね。
これから、保育園や幼稚園、児童館や小学校で公演をするとき、最初の「つかみ」の曲としては、これは最適かも知れぬという思いがよぎりました。

もちろん、この短い詩の中にある、状況を想像するに、大人の味わい方はまた別なのでしょうが、この日は作曲家としては、この週末の、大部分大人が居るであろう、本当の初演に向けて、予期せぬ収穫がありました。
だって、自分の書いた音楽で、数百人を笑いの渦に巻き込んだというのは、生涯初めてでしたから(爆)
芸人になれた実感を持った瞬間でした(爆)
20121114古河市立仁連小学校「PTA芸術鑑賞会」

カーテンコールになったら、お花と一緒に、こんなものが手渡されました。
もう出来てるの?って三人は驚愕。

仁連小学校に頂いた記念写真

意外とこういう場所での公演の際、到着から出発までの間、担当の先生とはコミュニケーションがあっても、一度も校長先生にも教頭先生にもお会いしないことの方が多いものです。
今回は、そのお二方とも懇意にお話しすることができ、感想まで頂いたことを誇りに思います。

どうも、ここの校長先生は、子供に本を読ませたり先生や父母の人達と一緒になって、子供たちに「読み聞かせ」をする事を積極的に行っている様ですから、我々の活動にもとても理解を示して頂いたようで光栄でした。

そしてもう一つ、白石准としては心躍った事に、廊下に、子供たちの川柳が張ってあって、それは、校長先生の選んだ(お撮りになった?)写真がお題なのです。

そういう、目に見えない「印象から受け取る表現」を大事にしている学校というのは素晴らしいと思いました。

最後に、セッティングから、演奏中の写真まで撮って頂いた、音楽の橋本博音先生、大変お世話になりました。
お名前も「ひろと」さんと読まれるそうで、音楽の先生になることが運命づけられている様なお名前でしたね。
オーケストラも最近作られたそうで、ますます、音楽を通じて子供たちに夢を与える活動を続けて行かれるようにお祈り申し上げます。

蛇足ですが、始まる前、PTAの役員の方が、通常の如く、演奏に対する注意事項として、「写真撮影、録音はご遠慮申し上げ、、、」と始まった時に、事前に橋本先生に、「録音・撮影は人の邪魔にならないのであれば、どうぞ、その代わり今日居なかった人達にどんどん宣伝して下さい」と最近の僕らの方針をお伝えしていたので、先生が、その言葉を訂正させていました。
PTAの役員の方々は驚かれていましたが、そうなのです、僕らのperformanceは、撮影時のノイズさえ気を付けて貰えば、そして商用利用をしなければ、すべてオープンです。

もちろん、Liveですから、演奏の精度からすると傷もあるかもしれませんが、もっと僕らのやっていることをみなさんに知って貰いたいからです。
またみなさんにお会い出来ることを楽しみにしています。