「注文の多い料理店」タグアーカイブ

2017/04/09再び“星ノ飛ブ夜”さんたちとご一緒に演奏する事になりました

昨年の山猫合奏団祭りでもご一緒した、シンガーの西川郷子さん率いる三人組のバンド、星ノ飛ブ夜さんたちと、我らが山猫合奏団とでライブをすることになりました。

昨年の3/20にも東京の中目黒にある楽屋(がくや、ではなく、らくやというお店)で、いわゆる業界用語で「対バン」、クラシック音楽の用語で言えば、ジョイント・コンサートをやりました。
その時の記事はここ)です。

今年は、2017/04/09(日)に、東京の神保町にある(前回とは違う場所にある)楽屋(らくや)で行います。
会場の地図を含むWebsiteはここです。(音楽が鳴りますので、環境に因っては注意)
予約のページはここです。
開場は18時、開演は19時です。チャージは3000円です。
ライブ・レストランなので、それとは別にお食事をされることになります。

我々が演奏するものは、草野心平などの詩集の音楽になりました。
この日は、星ノ飛ブ夜さんたちとご一緒なので、彼らも混じったヴァージョンも披露することになりますね。


今年の目標は、このWebsiteの新陳代謝を活発にすることです。(by 白石准@山猫合奏団website係)

2016/09/10から山猫合奏団祭りが開幕致します!

2015/09/12から始まる山猫合奏団祭りのお知らせ

今年も、去年に続き、山猫合奏団による言葉と音楽の三日間のコンサートのお知らせです。
所謂、朗読と演奏という、お互いシンクロする事無く語り、BGMで演奏するというものではなく、時に、ラップの様に音楽に合わせて、時に、違う登場人物の台詞を(特に議論の場面や、擬態語、擬音語)重ねて、言葉の意味を伝えるだけでなく、音として伝える試み満載です。
2015/09/12,9/19,9/26と全て土曜日に上演致します。

素材は、原点である宮沢賢治の“セロ弾きのゴーシュ”、“注文の多い料理店”、“どんぐりと山猫”の他、太宰治の“走れメロス”、
そして一つを除いてこの夏に作曲したばかりの、詩人、草野心平の作品を演奏します。草野作品は世界初演(#^.^#)です。

9/12(土)は、昼夜二回公演です。
13:30に草野作品と、“セロ弾きのゴーシュ”
“草野作品”:河童と蛙(2012)、かじか(2015)、ゆき(2015)、俺も眠ろう(2015)、かえるのうたのおけいこ(2015)
出演:高山正樹(言葉)、楠定憲(言葉)、大島純(Cello)、白石准(作曲・Piano)
“セロ弾きのゴーシュ”
出演:大島純(ゴーシュの台詞とチェロ演奏)、高山正樹(登場する動物たち)、楠 定憲(くすさだのり)(語り)、白石准(楽長及び、作曲・ピアノ演奏)

18:30に草野作品と、“走れメロス”
出演:メロス:高山正樹、暴君ディオニス:楠定憲、(その他の登場人物や語りの部分は二人で分担)作曲・ピアノ演奏:白石准

9/19(土)は、13:30に“注文の多い料理店”と“どんぐりと山猫”を続けて上演致します。
“注文の多い料理店” 山猫:高山正樹、語り:楠定憲、作曲・ピアノ演奏:白石准
“どんぐりと山猫” 山猫,森の生き物:高山正樹、一郎&語り:楠定憲、作曲・ピアノ演奏:白石准
これらは、もちろん独立した作品ですが、山猫は同一人物であったという繋がったストーリーとして白石准が考えています。

9/26(土)は、13:30に草野作品と、“走れメロス”
“草野作品”:河童と蛙(2012)、かじか(2015)、ゆき(2015)、俺も眠ろう(2015)、かえるのうたのおけいこ(2015)
メロス:西村俊彦、暴君ディオニス:高山正樹、(その他の登場人物や語りの部分は二人で分担)作曲・ピアノ演奏:白石准

18:30に草野作品と、“セロ弾きのゴーシュ”
出演:大島純(ゴーシュの台詞とチェロ演奏)、西村俊彦(登場する動物たち)、高山正樹(語り)、白石准(楽長及び、作曲・ピアノ演奏)

この日は12日と同じProgrammeですが、初登場の西村俊彦氏が参加します。語り手が違います(高山正樹の役割も“走れメロス”では違う)ので、今までご覧になった方も相当違うインパクトがある「初演」的なものになるでしょう。
西村俊彦氏のblog:http://blog.livedoor.jp/byoubyoubyou/

会場は、東京の目黒区、東急目黒線の「洗足」駅の改札を出たら前方ちょっと右側にすぐに見える、プリモ芸術工房(イタリア料理店の二階)です。
「洗足」駅は、「洗足池」でもなく、「千束」でもありませんのでご注意。

入場料は、大人3,000円、中学生以下が1,000円です。
お問い合わせ・お申込み先は、
M.A.P.(エム・エイ・ピー)Tel03-3489-2246 Fax03-3489-2279
あるいは会場のプリモ芸術工房Tel03-6421-6917
メールフォームもあります。http://form1.fc2.com/form/?id=601550

もっと詳細に観たい方の為にチラシはPDFにして公開してあります。
http://shiraishijun.jp/chirashi/201509yamaneko_festival.pdf

2014/09/19より山猫合奏団祭りが開催されます

山猫合奏団の本拠地、東京の目黒線、洗足駅前のプリモ芸術工房にて、9/19から四日間、白石准が書いたすべての物語が連続上演されます。

9/19というのは、最初の作品、“どんぐりと山猫”の冒頭、山猫から一郎に手紙が来る日付です。
この日付は我々にとってとても記念の日付なので、この日を皮切りに行う事にしました。

詳細はまたこの記事を更新していきます。
主な演奏曲目を以下に記します。

9/19(金)19:00 “注文の多い料理店” & “どんぐりと山猫”(両方に出てくる山猫は同一人物というプランで書かれているので連続上演です。)
         高山正樹、楠定憲、白石准
9/20(土)14:00 “セロ弾きのゴーシュ”
         大島純、高山正樹、楠定憲、白石准
9/21(日)14:00 “オツベルと象”
         古本大志、稲垣護、高山正樹、楠定憲、白石准
9/22(月)19:00 草野心平、山之口貘の詩集、“走れメロス”
         高山正樹、楠定憲、白石准

入場料;
一回券 大人3,000円、子供1,000(中学生以下)
全公演フリーパス:大人8,000、子供3,000(中学生以下)

携帯からの予約はこちらをクリック!


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プリモ芸術工房の場所などインフォメーションは公式サイトへどうぞ。
http://primoart.jp

7/21六行会での“注文の多い料理店”&“どんぐりと山猫”を終えて

白石准です。

もうだいぶ前の事になってしまいましたが、7/21の東京品川付近で行われたチルドレン・フェスティヴァルの事についてちょっと書いておこうと思います。

この公演は、久しぶりに、“注文の多い料理店”と“どんぐりと山猫”の二本立てでやりました。

宣伝してた時にも書いたかも知れませんが、宇夫方路女史の二度目の“どんぐりと山猫”であり、今回は、地の部分というか、状況を説明するいわゆる「語り手」も初めて担当しました。
初めて参加したときは、語り手は三人居たので、山猫から手紙が来る一郎の役だけでしたから。

もう三十余年もやっていて、同じ仲間とやっていると、当たり前に思ってしまうことがあります。
それが、リハーサルの時には、やはりこういう事は指摘しないと駄目だろうなと新たな発見がありました。

それと共に、以前にも長々書いたことがありましたが、賢治のそれぞれの作品の世界観が微妙に違う事も痛感しました。

以前に、“セロ弾きのゴーシュ”や“注文の多い料理店”、“オツベルと象”の登場人物は実に感情が豊かで、怒ったり悲しんだりしているのですが、この“どんぐりと山猫”に出てくる一郎というのは、一番沢山出ているから、主人公かと思いきや、“セロ弾きのゴーシュ”のゴーシュとか、“注文の多い料理店”に出てくる狩人達、そして“オツベルと象”に出てくるオツベルや象とは違い、全く感情の描かれ方が希薄だと言う事を書きました。(根性のある人(爆)は、この事に関するもの白石准によるすごく長大な記事と48個のコメントがここにありますので参照してください。)

故に、白石准としては、この「一郎」というのはほとんど登場人物というよりは、読んでいる人、僕らの場合は観客席に居る人たちの代表、それはまるで、能の「ワキ」の様な役割なのかも知れないと思うようになりました。

で、賢治は、その「安全地帯に居る人たち」に最後、強烈にアンチテーゼをぶつけているのです。
裁判を鮮やかに終了させた理屈が「大きいとか尖っているとかではなく、どんぐりの中で馬鹿で滅茶苦茶なのが偉い」としていたのに、最後、山猫のお礼の選択肢が、「金のどんぐりと塩鮭の頭とどっちが良いか」と訊かれたとき、二つ返事で実にこの世的な前者を選んでしまったという浅はかさ、、。

そこで、今回のリハーサルで、宇夫方女史は最初、登場人物の台詞が音符に乗っかっているので、それを正確に発音することの難しさに苛まれていました。

しかし、段々気づいたのは、それは反復練習の末に何とかなるわけだけど、“セロ弾きのゴーシュ”や“注文の多い料理店”よりは、決定的に、状況を説明する「台詞以外」の部分が、前述のものより、実にリズミカルにテンポの増減やピッチの上でも、様々に音楽的に語らないと、駄目だと言うことです。(逆に一郎の方がニュースを読むアナウンサー口調の方が良い(感情があることを思い起こさせてはいけない)くらいだ。)

つまり、だれも映像を観ることの出来ない聴取者を対象とした、ラジオで相撲や野球、サッカーを中継しているスポーツ・アナウンサーの様な表現力が必要なのだと思いました。

最終的には、僕や、何時もその部分を読んでいる高山正樹の指摘に彼女の頭の中は相当悩まされたことでしょうが、本番は見事、今後また山猫合奏団にとって、重要な戦力となる表現力を見せて貰いました。

前の段落で、“オツベルと象”を除外していましたが、この作品は、ほとんど状況説明をしている語りの部分が韻を踏んでいますから、この“どんぐりと山猫”以上にその部分も大変重要です。
だから、その作品では、99.9%の語りや台詞、そして歌にした部分も全部音符にしました。

今のところ、白石准は四つの宮沢賢治作品を音楽にしていますが、僕なりにそれぞれ、違う冒険をしています。

前半で演奏された、“注文の多い料理店”は、徹底的に同じ音楽(山猫のドアに書いてあるメッセージを歌にしたからその歌の雰囲気をほとんど同じにしたのです。)を反復して、我らが高山正樹の希有な歌唱力でしか表現できないような「狩人達が段々感じる恐怖」ではなく、「段々嬉しくなってくる山猫の感情」を表現した実に明るい世界と、最初と最後に全く本編とは関係なさそうな、寂寥感に満ちた「深い森の音楽」、そして佳境に入ったときの「子分達の漫才の様な一瞬からカタストロフへ向かう部分」の音楽で構成されています。

この二つを上演できるときは、必ず、「僕の独断で、本来は全く関係ないこの二つの作品が一幕、二幕として、繋がったstoryに解釈して上演する」という事をアナウンスします。

後一歩で狩人達を喰う事に失敗した“注文の多い料理店”の中の山猫。
臥薪嘗胆の末、間抜けな山猫から、実に、人を食った様に周到に謎かけをしてくるまでに成長した“どんぐりと山猫”の中の山猫。

「“セロ弾きのゴーシュ”という作品が、音楽無しに読んで、何が面白いのか判らない」と思っているのと同時に、この“注文の多い料理店”と“どんぐりと山猫”の二つはやっぱり切り離せない話なのでは無いかと上演する度にその確信が深まっている所です。

しかし、同時に、“注文の多い料理店”については、他の作品より、音楽的な変化も少ないし、一番地味かもしれないので、みなさんの聴いた感じがどうなんだろうな、と、逆に単独で演奏する事を恐れてしまう様にもなってしまいました。

しかし、終演後、直接ロビーで数人の人にお話を聞くチャンスを得ましたが、初めて会った子供が「“注文の多い料理店”が面白くて(怖くて)、どういう展開になるのかドキドキしました。」と云って貰えてかなり安心しました。

昨年、“セロ弾きのゴーシュ”と“注文の多い料理店”は、厚生労働省より、「社会保障審議会推薦児童福祉文化財」に認定される名誉にあずかりましたが、その認可を得たときの編成が、我々としても初めての、語り手四人バージョンだったので、普段は、一人や二人でやっているので、実はこの日、一度は認可を受けた作品ではありましたが、まだ認可を受けてなかった“どんぐりと山猫”と共に、オリジナルの語り手とピアニストという編成をも、再度厚生労働省の担当の人に聴いて貰っていた関係で、昼の公演と夜の公演では、実は“注文の多い料理店”の編成が違っていました。

昼は厚生労働省の認可を得るための公演ではなかったので、高山正樹と楠定憲の二人で語りました。(それも、通常は二人の狩人(と二匹の子分)の会話を二人で振り分けているのですが、楠定憲は子分の所だけの出演(二匹とも敢えて白石准の頼みで大阪弁にして貰いました(爆))にしてみましたので、それも本邦初演ではありました。)
故に、両方観た役員の人たちは実に面白がって頂けたので嬉しかったです。

最後に。
僕の夢は、“注文の多い料理店”を一度、語り手6人ヴァージョンでやってみたいのです。
一人が、状況説明のいわゆる「語り」を担当し、
もう一人(今のところ高山正樹以外を想定すると、ものすごくそれらしく歌ってくれるオペラ歌手、もちろん、バリトンかテノールの男性、に頼みたいというアイデアがある。)は山猫専門。
そして、二人の狩人を、出来るだけ対照的な体格と声の持ち主で。

ここまでは昨年の公演で実現してました。

最後に、一瞬ではありますが、上手くいかなくてひそひそ話したり狩人達に促したり、山猫に気を使う子分達を、ばりばりの大阪育ちの、しかも、「おばちゃん」の漫才みたいな、超早口のだみ声でやってみたいのです。
そうすれば、あの場面のコントラストはものすごいことになりそうです。